Modeling Plants
in Space and Time
植物の時空間モデリング
枝一本・葉一枚・果実一つのレベルで植物個体の三次元構造を復元し、同一器官の時系列対応付けや成長予測へと拡張します。手続き型モデリング、大規模言語モデル、物理シミュレーションを取り入れ、成長・力学・作業結果を予測できる「仮想植物」を実現します。
担当 大倉グループ(大阪大学)
JST CREST — 2026–2032
ツイン農業のための
栽培環境のマルチスケール時空間仮想化
栽培は、植物と人間がつくるインタラクションである。
私たちは栽培環境をまるごと仮想化し、実空間と仮想空間の両方で植物を育てる「ツイン農業」の基盤をつくります。
圃場で日々行われる栽培作業は、ドローン・ロボット・作業者視点のデータによって常に記録され、仮想空間上の農場「ツイン農業プラットフォーム」へとリアルタイムに反映される。仮想空間では、植物の精緻な構造と成長予測、圃場全体の状態、作業者の行動知見が統合され、次に行うべき最適な作業が作業者やロボットへフィードバックされる。
これまでの「スマート農業」が実現してきたのは、収穫や農薬散布、比較的単純な病害検出が中心でした。剪定・誘引、生育予測と収量最大化といった専門性の高い日常作業を支えるには、葉一枚・枝一本の構造や熟練者の「意図」までを緻密に仮想化する必要があります。本プロジェクトは、このボトルネックに正面から挑みます。
実空間
仮想空間



植物はコンピュータビジョンにとって最も挑戦的な対象のひとつ。果実を見つけるだけでは、剪定や誘引のような専門的な作業には届きません。
Photo: Agne27 / CC BY-SA 3.0大規模・高密度な圃場では、個体ごとの切り分けや、作物・環境情報の継続的な更新が必要です。

農作業は単なる身体動作ではなく、植物の状態理解と経験に裏打ちされた高度な知的行為です。
例えば、「圃場内のどの株に対し、どの枝を、どのような意図で剪定しているか」——
この問いに答えるには、三つのスケールを相互に結びつけて仮想化する必要があります。
植物の時空間モデリング
枝一本・葉一枚・果実一つのレベルで植物個体の三次元構造を復元し、同一器官の時系列対応付けや成長予測へと拡張します。手続き型モデリング、大規模言語モデル、物理シミュレーションを取り入れ、成長・力学・作業結果を予測できる「仮想植物」を実現します。
担当 大倉グループ(大阪大学)
変化し続ける圃場の4Dマッピング
ドローン・地上ロボット・環境センサ等から得られるRGB・マルチスペクトル・LiDARデータを統合し、作物分布、生育状態、環境情報とその時系列変化を4D仮想空間にマッピング。継続的かつ即応的に更新される圃場のデジタルツインを構築します。
担当 郭グループ(東京大学)
熟練農作業の理解
映像をはじめとする多様な情報から、農作業者が周囲の環境をどのように捉え、行動しているかを理解する研究に取り組んでいます。熟練者が持つ経験や知識と、植物・圃場の状態との関係を捉え、次世代の農業支援につながるAI技術を目指します。
担当 佐藤・篠田グループ(東京大学)
ツイン農業プラットフォーム
三つのスケールで得られる情報を、共通の時空間座標と個体IDで対応付けて蓄積・可視化する統合基盤。「どの圃場の、どの植物個体に対し、どの作業者が、どのような作業を行ったか」を統一的に記述し、実空間へのフィードバックの土台とします。
実圃場個体の三次元・時系列復元、研究農場の4Dマッピング、主要農作業の一人称視点データセットを構築し、三スケールを横断した仮想化プロトタイプを提示します。
様々な農場の課題に対応できるよう仮想化技術を高度化し、商業農場にテストベッドを拡張。実際の農作業における有効性を示します。
| 中島 悠太 | 大阪大学 産業科学研究所 教授 |
| 戸田 陽介 | 株式会社フィトメトリクス 代表取締役 |
| 陳 思遥 | 東京大学 大学院農学生命科学研究科 助教 |
| 岡田 眞銀 | 東京大学 大学院農学生命科学研究科 特任研究員 |
| 篠田 理沙 | 東京大学 生産技術研究所 助教 |
| 波多野 雅 | 東京大学 生産技術研究所 特任研究員 |